📄 作品概要
深夜、兄妹の密やかな情事に混ざり込むのは、壁の向こうで咽び泣く母・由美子の吐息 。不実な父に放置され、孤独に震える母を救うため、妹・美緒は悪魔のように囁く。「お母さんにも、この幸せを分けてあげようよ」 。戸惑いながらも、和也は母の豊満な肉体へと手を伸ばす 。父の寝室という聖域で、秩序が崩壊し、狂おしいほどの愛欲が三人を一つに溶かしていく 。 総字数 約19,000字(読了時間 約38分) 〈本文より抜粋〉 ――……ぁ……うぅ……。 今度は、はっきりとした人の声だった。押し殺したような、けれど隠しきれない、湿り気を帯びた吐息。そして、嗚咽とも、満たされない溜息ともつかない、切ない響き。それは紛れもなく、母・由美子の声だった 。 「聞こえる? お兄ちゃん。あんなに押し殺して……」 美緒の視線は、壁のその先、母がいるであろう闇を見つめていた 。「お父さん、今週一度も帰ってきてない。お母さん、もう限界なんだよ」 〇 「美緒、それは……」 「いいでしょ? お父さんはどうせ帰ってこない。……あのベッドで泣いているお母さんを、私たちで救ってあげるの。それが、家族として正しいことだよ」 美緒の論理は、どこまでも歪んでいて、そして残酷なまでに純粋だった 。 由美子は、その場所に足を踏み入れた瞬間、激しく身震いした 。「……ダメ、ここは……和也、美緒……ここだけは……」...