📄 作品概要
種付け役に選んだのは、お父様でした── 「聖女よ、尊き娘よ。魔の王に相対するため、もっとも愛しいものと子供を作りなさい」 その日、私は一人の神官の娘から、聖女へと召されました。若く衰えない尊い肉体と、神に準ずる力を得たのです。あらゆるものが聞いた神託でしたから間違いはありません。 私は賢く、そしてとても頭のおかしい娘でしたから、少しだけ不安に思いつつも、大変嬉しかったです。 聖女とは勇者たちを育み、産み落とす母胎――そう、神から世界でもっとも良質と認められた母胎なのです。私はそのお役目を、そんなふうに捉える頭のおかしい娘でしたから、最後に忠告されたのかもしれません。 「──そなたの愛は重すぎる。我でもそれは止められぬ。くれぐれも行きすぎないように」 そんなの分かっています。愛する人の意思は、慮りたいですから。 「おはようございます──お父様」 そうしてかつて神殿の下級神官だったこの人が、私の最愛のひと。 ──最高の母胎を作り出した、お父様でした。 ──── 聖女──それは勇者を産む器。 聖女──それは最高の少女にして母胎。 「それで、今日こそ……私のお願いを、聞いてくれるのですか?...